株式会社近鉄百貨店

2026.2.18

第95回グランプリを受賞した〈うなぎ屋ハレルヒ〉を手がける株式会社近鉄百貨店の荒鹿 充範さんに伺いました。




Q.うなぎ専門ブランド「ハレルヒ」を立ち上げた背景を教えてください
 
従前、あべのハルカス近鉄本店の食料品売場には複数のうなぎ店が軒を連ねていましたが、諸事情により店舗数が減少する時期がありました。利用動向を詳しく分析した結果、多くのお客様が「お気に入りだったうなぎが買えなくなった」ことで、行き場を失っている実態が浮き彫りになったのです。
本来であれば、新たな専門店を外部から誘致するのが百貨店の通例です。しかし、うなぎ業界全体で店舗の減少や職人の高齢化が進むなか、理想的なパートナーを見つけることは容易ではありませんでした。
お客様の期待に応え続けたい。その強い想いから、「それならば、自分たちの手で理想のブランドを創り上げよう」と決意し、百貨店自らが企画・運営する道を選びました。
 
Q.ブランド名「ハレルヒ」には、どのような思いが込められているのでしょうか?
 
「ハレルヒ」という名は、あべのハルカスの語源である古語「晴れやかす」に由来します。百貨店は、特別な「晴れの日」に訪れ、特別な買い物をする場所。その役割と、「ハレの日」「ハルカスのハル」を掛け合わせ、お客様の心を晴れやかにしたいという願いを込めました。
 
Q.特徴的な商品名を使われている理由を教えてください
 
商品名にもこだわり、「福・寿・陽・月・花」など、すべて前向きな意味を持つ言葉を採用しています。これは、従来の「松竹梅」というランク付けに抵抗を感じるお客様への配慮からです。せっかくの晴れやかな日に、ネガティブな要素を一切排除した商品選びを楽しんでいただきたいと考えました。
 
 
Q.使用するうなぎを浜名湖産に、焼き方を関西風にした理由を教えてください
 
産地は、日本のうなぎ養殖発祥の地として名高い静岡県・浜名湖産に限定しました 。数ある中でも、驚くほど肉厚で良質なうなぎを厳選して使用しています。
焼き方については、事前の市場調査や売場内における他の店舗とのポジショニングを考慮し、あえて蒸さずに直火でじっくりと焼き上げる「関西風」を選択しています。
この肉厚な素材と関西風の調理法は非常に相性が良く、うなぎ本来の旨みと脂の乗りを最大限に引き出すことができました。素材の力をそのまま生かした、贅沢な味わいをお楽しみいただけます。
 
Q.うなぎ以外に、商品づくりでこだわっている点はありますか?
 
タレは、厳選したシンプルな原料のみで素材を引き立てるよう仕上げています。お米はタレとの絡みとうなぎとの相性を追求し、一粒一粒が際立つ国産コシヒカリを採用しました。また、「ハレの日」を彩るにふさわしい、ブランドの上質さを体現した包装資材や容器にも徹底してこだわっています。細部に至るまで妥協せず、お客様の特別な時間を演出するためのトータルな商品づくりを目指しました。
 
Q.ブランド立ち上げにあたり、特に苦労された点を教えてください
 
自社でゼロからブランドを立ち上げるという、文字通り「手探り」の状態からのスタートでしたので、何が正解かも分からず、あらゆる工程で壁にぶつかりました。なかでも苦心したのは、お弁当としての「満足感」の追求です。一般的に、お弁当の限られたスペースには適したサイズのうなぎを収めることが効率的とされていますが、私たちは「一口食べた時の感動」を最優先し、店頭の蒲焼きと同等の肉厚な身を使用することにこだわりました。この規格外のボリュームに合うお弁当容器を一つ探すのにも多大な時間を要するなど、すべての決断に不安と苦労が伴いましたが、その積み重ねが現在の品質に繋がっていると思います。

Q.どのような方に、どのようなシーンで利用してほしいと考えていますか?
 
お中元やお歳暮など、大切な方への贈り物としての利用を想定しています。ECでは法人のお客様がまとめて購入されるケースも多いですね。 
比較的、5〜60代の丁寧に暮らしている大人の方の購入率が高く、味もボリュームも自信をもって贈っていただける商品だと感じています。
 
Q.ジャパン・フード・セレクションに出品されたきっかけを教えてください
 
他社のうなぎ専門店が受賞されているニュースを拝見したのがきっかけです。数ある評価制度の中でも、ジャパン・フード・セレクションは食の専門家である「フードアナリスト」の方々が審査員を務められており、非常に信頼性の高い賞だと感じていました。
単なる人気投票ではなく、味や品質、パッケージ、さらにはストーリー性までが、フードアナリストによる厳正な試験や実食審査を通じて多角的に評価されます。自社ブランドとして立ち上げたこのうなぎが、専門家の目から見てどのように評価されるのか、その真価を問うために挑戦を決意しました。
 
Q.受賞後の反響や、社内外での変化はありましたか?

グランプリ受賞は、現場を支える社員たちにとっても「自分たちの仕事が認められた」と、大きな喜びと自信につながりました。 
受賞してからはプレスリリースも打ちましたし、社内でも自社ブランドのうなぎを改めて味わってくれるように特別価格で販売しました。
今後はロゴの活用や真空商品への同梱物など、さらに活かしていきたいと考えています。

Q.今後、ブランドとしてどのような展開を描いていますか?
 
現在は1店舗での展開ですが、スケールし易い仕組みを構築しており、将来的には多店舗展開も視野に入れています。最終的には、焼きたてをその場で楽しめる業態にも挑戦し、より多くのお客様へ「ハレの日」の喜びを届けていきたいと考えています。
 
 
受賞商品
第95回 グランプリ受賞
〈うなぎ屋ハレルヒ〉真空うなぎ蒲焼詰め合わせ2尾



企業プロフィール
うなぎ屋 ハレルヒは、近鉄百貨店が企画・運営するオリジナルのうなぎ専門ブランドです。ブランド名には、「ハレの日」を意味する言葉と、あべのハルカスの由来にも通じる古語「晴れやかす」に加え、百貨店が“晴れの日”に訪れ、特別な買い物をする場であるという役割への想いが込められています。日常から特別な日まで、食を通じて人々の心を晴れやかにしたいという願いが、その名に表現されています。
素材には、静岡県・浜名湖産の中でもひときわ肉厚で良質なうなぎを厳選し、素材の力を最大限に生かす関西風の焼きにこだわった調理法を採用しています。百貨店ならではの確かな目利きと徹底した品質管理を生かし、“ハレの日のごちそう”としてのうなぎの新たな価値を発信し続けています。
https://www.d-kintetsu.co.jp/hareruhi/

logo

日本フードアナリスト協会

〒102-0082 東京都千代田区一番町15-8 壱番館5階

©Japan Food Analyst Association Certified all right reserved.