株式会社 世羅の大地

2026.9.15

第102回グランプリを受賞した国産松茸御飯を手がける株式会社 世羅の大地にお話を伺いました。


代表取締役CEO 松浦 辰行さん
 
Q今回受賞した「国産松茸御飯」の特徴や魅力を教えてください。

一番の特徴は、旬の味覚である松茸を手軽に楽しんでいただけること、そして松茸本来の香りをしっかりと生かしていることです。私たちは国産松茸にこだわり、国産のみを取り扱っています。せっかく国産松茸を使うのであれば、その魅力である香りをきちんと感じられる商品でなければ意味がないと考え、作り方にもこだわって製品化しています。
 
Q「国産松茸御飯」を商品化したきっかけは何だったのでしょうか。

もともと私たちの事業は、秋の2~3か月間に生鮮の国産松茸を販売することが中心でした。お客様の多くは贈答用として松茸を購入されるのですが、中には一年かけて少しずつお金を貯め、ご自身のために購入される方もいらっしゃいました。また、「松茸をいただいたけれど、こんなに高級なものをどう調理したらいいかわからない」「失敗するのが怖い」という声も多く寄せられていました。そこで、社長の母が作っていた松茸ご飯のレシピを再現し、まずは生鮮の松茸を販売する時期に、その日に炊いた松茸ご飯を店頭で販売してみたんです。すると、作るたびに完売するほど好評でした。松茸の食べ方として「松茸ご飯」の需要が高いこともあり、「これを冷凍にすれば、もっと多くの方に届けられるのではないか」と考えたことが、商品化の始まりです。
 
Q国産松茸だけにこだわっているのはなぜですか。

一番大きいのは、やはり香りです。国産と輸入の松茸では、香りに大きな違いがあると感じています。松茸は水分を多く含んでいるため、収穫してから時間が経つほど、水分とともに香りも失われていきます。国産であれば、山で採れたものを直接仕入れるなど、より香りのよい状態で扱うことができます。また、全国の産地から国産松茸を集めるなかで、生産者の方々とのつながりも生まれました。国産松茸を扱い続けることで、生産者の生活や産地を守っていきたいという思いもあります。
 
Q松茸ご飯を作るうえで、特にこだわった点や難しかった点を教えてください。

特にこだわったのは、お米です。世羅は米の産地でもあり、おいしいお米と松茸は非常に相性がいいんです。一方で、使うお米によっては、お米のにおいが松茸の繊細な香りを邪魔してしまうこともあります。そこで、松茸の香りをしっかりと生かすため、新米のコシヒカリを使うことにこだわっています。
 
Q「松茸ジェラート」という珍しい商品もありますね。どのようにして生まれたのでしょうか。

2011年にレストランをオープンしたことがきっかけです。当時、秋には松茸のフルコースをお客様に提供していました。その中で、「デザートまで松茸だったら面白いよね」という話になったんです。当時のシェフがフレンチ出身で、「きのことミルクは相性がいい」という発想からアイスを作ってみたところ、とてもおいしく、人気の商品になりました。その後、そのシェフが亡くなったこともあり、残してくれたレシピを形にしたいという思いもあって、商品化することになりました。幸い、世羅町内にOEMで小ロットから製造してくださる牧場もあり、地域のつながりにも恵まれて商品にすることができました。
 
Q松茸塩も非常にユニークな商品ですが、こちらはどのように開発されたのですか。

高知県の「田野屋塩二郎」さんとの出会いがきっかけです。さまざまな食材を使ったオーダーメイドの塩を作られている方で、「私たちの国産松茸でも塩を作れますか」と相談したところから始まりました。松茸と海水を使って松茸の香りを海水に移して作っているため、松茸料理に使うことで、より香りを際立たせることができます。今回受賞した松茸ご飯にもこの松茸塩を使用しており、松茸の香りをより引き立てるための工夫の一つになっています。
 
Qところで、いつもスーパーマンの姿をされていますが、何かきっかけがあったのでしょうか。

もともとは今より太っていたんです。娘が小学生の頃に「痩せて参観日に来て」と言われたことがきっかけで、体を鍛え始めました。トレーニングを始めたときに「どんな体になりたいですか?」と聞かれて、「スーパーマンみたいな体にしてください」と答えたんです。それから2年ほどかけて体を作りました。
その後、スーパーマンのTシャツを見つけて着るようになり、今では仕事のときも普段もこのスタイルです。Tシャツは50枚持っています。この姿をきっかけに知らない方から声をかけていただくこともありますし、スーパーマンでいることを楽しんでいます!
 
Q今回、ジャパン・フード・セレクションに出品されたきっかけを教えてください。

最初にお電話をいただいたことがきっかけです。普段、このようなお話は基本的にお断りすることが多いのですが、今回は松茸ご飯についてのお話だったこともあり、一度詳しく聞いてみようと思いました。その際、フードアナリストの方がふるさと納税を通じて実際に商品を購入し、それをきっかけに声をかけていただいたと伺いました。実際に商品を手に取ったうえでご連絡いただいたことがわかり、「それなら信頼できる」と感じ、出品することにしました。
 
Q今回の受賞を、今後どのように生かしていきたいと考えていますか。

国産松茸を専門に扱っていること自体が珍しいため、これまでも国産松茸についてメディアなどから取材していただく機会はありました。
今回の受賞がすぐに売上につながるというよりも、商品の品質を伝える一つの指標として活用していきたいと考えています。特に松茸は「生で楽しむもの」というイメージが強く、冷凍商品に対して抵抗を感じる方もいらっしゃいます。冷凍であっても、こうした賞をいただけるだけの品質をしっかりと提供できる。そのことを知っていただくためにも、今回の受賞を生かしていきたいと思っています。
 
Q最後に、今後の商品づくりや会社としての展望を教えてください。

これからも、誰もやっていないことに挑戦していきたいと思っています。松茸は単なる高級食材ではなく、日本で古くから親しまれてきた食文化の一つです。2023年に広島で開催されたG7広島サミットの際には、弊社の冷凍松茸が食材として使われました。その経験からも、改めて松茸が日本の伝統的な食文化の一端を担っていることを感じました。
一方で、気候の変化などによって国産松茸は減少しています。だからこそ、日本人が大切にしてきた松茸という食文化をなくしてはいけないという思いがあります。
今後は大学との研究などにも取り組みながら、松茸の新たな可能性を探っていきたい。そして、国産松茸という日本の食文化を、次の世代へ残していけるような会社でありたいと考えています。
 

 
受賞商品
第102回グランプリ受賞
国産松茸御飯
 

企業プロフィール
広島県世羅町を拠点に、国産松茸を専門に取り扱う「世羅の大地」。全国の産地から仕入れた国産松茸の販売をはじめ、その豊かな香りを生かした加工商品の開発・販売を行っています。松茸ご飯や松茸ジェラート、松茸塩など、国産松茸をより身近に楽しめる商品づくりにも取り組んでいます。
https://www.kokusan-matsutake.jp/

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