Q.創業に至ったきっかけやこれまでの歴史を教えてください
僕らの時代、大学に行きながらのバイトは、賢い人は家庭教師とか塾の先生をやったりしていたけど、飲食が好き、作ることが好きだったのでラーメン屋さんで働き始めました。ラーメン屋さんが何気に美味しくて感動して、今後もこれをやりたいなと思ったのが19歳の時。東京の学校に通っていたけど、早くと地元・新潟に帰ってお店を出したいなと思い、大学は2年の途中で辞めて3年半くらい修行して、新潟に帰り22歳の時に独立しました。
独立して新潟一高いというラーメン屋が35年前で600円でした。新潟は大体380円とか400円だったんですけど、僕は600円でスタートしました。平成3年にオープンし、今年11月で35年になります。ラーメンをやりながら、いろんな人と出会ってスーパーに餃子を卸したりとか、百貨店のギフトで出したりもしていました。
Q.創業当時からサイドメニューは豊富だったのですか
ラーメンと餃子からスタートしました。ジャンボ餃子と一口餃子があるんですけど、ジャンボはオープン当時から。一口餃子は今から15年前くらいにブームがあり、その時に作り始めました。中身はジャンボも一口も一緒なんですけれど、皮の厚みが違うんです。それぞれバランスを考えた厚さにしています。春巻きもめちゃくちゃうまいですよ。サイドメニュー単品でいろんなところに卸していて、スーパーには春巻きとかジャンボ餃子、一口餃子を出しています。
Q.鶏の半身揚げを始めた経緯を教えてください
新潟のソウルフードだからやってみようと思いました。何気にソウルフードとはいえ半身揚げをやっている店はそんなにないんですよ。老舗はあるんですが、一軒だけではまだ広がらなくて、百貨店に僕が最初に持ち込みました。半身揚げの専門店というのはなく、焼き鳥と半身揚げを一緒にやっているところばかり。居酒屋の中の一つというのはありますけど、マスターと奥さんでやっているようなところはないです。半身あげはちょっと大きいんでフライヤーも大きくないと揚がらないんです。だから限られたところしかフライヤーが置いてない。うちは田舎なので200坪あるんですよ。建坪もあって車も25台くらい置ける。席数も30席くらいあります。バックヤードに厨房があるので、製造できるような場所を持っています。そこに急速冷凍機を導入したので、半身揚げもできるようになりました。揚げたものを速攻で凍らせて、ジューシー感をきゅっとしめこむことに成功し、今はギフトで出荷したりもしている。本当は揚げたてを食べてもらえると嬉しいんですけど、デパ地下で売っているものと同じ条件で軽くレンジで温めてもらえれば復活します。
Q.半身揚げの売りやこだわりを教えてください
こだわりはジューシー感を保つこと。本当の鶏の旨みを皆さんにわかってもらいたいです。骨がついているからジューシーなんですけど、こだわりは米粉で揚げるということと、チー油で揚げることがこだわりのおいしさの秘密です。
居酒屋さんだと塩コショウもしないで出しているところもあります。プレーンという肉の味はわかるんですけど、やっぱりどことなく生臭さが残ってしまう。ただ揚げているだけじゃ美味しくないので、塩コショウをして酒につけて真空して一晩寝かせたものを調理していて一日時間をかけています。
Q.半身揚げは店内とテイクアウトで購入される方が多いですか
テイクアウトが多いです。クリスマスとかすごくて、一日100枚くらい揚げています。
ネット販売もやっており、普段も平均すると一日5,6枚は出ています。店内で食べる方は集まりがある時などにぶつ切りして出したりしています。イベントごとやお盆でみんなで集まるから揚げてくださいということが多いです。
Q.JFSに出品したきっかけを教えてください
知り合いにJFSについて「知っている?」と聞いたら、「これ取ったよ、お金はかかるけどやったほうが絶対評価高いよ」と言われて。最初は審査料がかかるけど、ダメだったらそれ以上はお金がかからないというのも教えてもらって。そしたらトントンと行きました。
最初は金賞のほうがいいんじゃないんだ、グランプリのほうが上なんだと思いました。(笑)
Q.JFSで受賞して今後の活用していきたいことはありますか
せっかく受賞したので写真とか載せて、物産店でも食べてみたいと思ってもらえるようにうまく使っていきたいです。HPも7月15日に載せられるということで15日に変わるように準備したり、メダルマークも使えるように動いています。
Q.今後の展望を教えてください
とにかく一足の草鞋では商売できないんですよ、地方は。いままではラーメンで7,8割稼いでいたんですけど、せっかくこの商品がよくなったと思ったら、他の商品が落ち込んだり。JFSの受賞などで数字を作っていかないといけないのかな、というのは正直あります。賞を取るのに100万,200万かかるならできないけど、お金はかかってもこのくらいの金額(予備審査料33,000円+本審査料198,000円)なら挑戦して、百貨店のバイヤーとかにじゃあこっちを使ってみようかなという切り札になればいいなと思っています。
第89回 ジャパンフードセレクション グランプリ受賞商品
新潟 鶏の半身揚げ
有限会社 がんこ屋
ダブルスープの第一人者として都内でも有名な「げんこつ屋」で学生時代に5年間修行したのち地元新潟に戻り、1990年に『がんこ屋』の暖簾を掲げる。今までの二十数年間で、新潟市内では馴染みの薄かった白湯醤油のラーメンを定着させ、名実ともに新潟ラーメン界を牽引する名店となった。素材は嘘をつかないというのが店主のモットーであり、素材選びに一切妥協せず、こだわり抜いた本物の味をお客様にお届けしている。店主が直接生産者の元に足を運んで、語り合う。そして、自らの舌で素材をしっかりと確かめ、納得出来た物のみを食材として使っている。お客様から貰う「美味しかった」という言葉を励みに、ラーメン一杯を丹精込めて作っている。
https://gankoya.co.jp/